“さじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
68.4%
些事20.9%
瑣事6.1%
1.5%
佐治0.9%
茶事0.6%
佐次0.3%
左慈0.3%
鈎匙0.3%
鎖事0.3%
雉子0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると突然、私のうちに誰にともつかない怒りがこみ上げてきた。しかし私はいかにもつつましそうにスウプのさじを動かしていた。……
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
孔子の衣食住の些事さじをさえ記録している『論語』に、一語も言及せられておらぬという事実は、十分重大視せられてよいのである。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
これ嘉永五年十一月十五日のことである。市井のこの一瑣事さじに枕山は詩興を催したものと見えて、「万年青」と題する七言古詩を賦した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この男木作りかとそしる者は肉団にくだん奴才どさい御釈迦様おしゃかさまが女房すて山籠やまごもりせられしは、耆婆きばさじなげ癩病らいびょう接吻くちづけくちびるポロリとおちしに愛想あいそつかしてならんなど疑う儕輩やからなるべし、あゝら尊し、尊し
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
因幡紙いなばがみ」の名で知られ、八頭やず郡の佐治さじとか、気高けだか郡の日置村とか、その他の漉場からこうぞの紙が出されます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
陣中、茶事さじふけり、風雅ふうがにうつつ抜かす事、言語道断。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
用ひしとぞ右半四郎の親類に佐次さじ右衞門と云者あり是は相應の百姓にて田地百五十石を所持なし居たりしが或時あるとき此佐次右衞門伊豫國いよのくに松山まつやまの親類へ金子かね五十兩送るべき事ありしに大金の事故飛脚ひきやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「わしは、魏王曹操とは、同郷の友で、左慈さじあざなを玄放といい、道号は、烏角うかく先生とも呼ばれておる。曹操に会ったら、話してごらん。覚えているかもしれないから」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鈎匙さじ、小刀、むち、扇等、何にても水中へ投げ入れ、礼拝して通るに必ず雨ふるなり云々、また曰く、下野国佐野の家にも秀郷より伝えし鎧あり、札に平石権現と彫り付け牡蠣かきの殻も付きたり
その歌、『古今』『新古今』の陳套ちんとうちず真淵まぶち景樹かげき窠臼かきゅうに陥らず、『万葉』を学んで『万葉』を脱し、鎖事さじ俗事を捕えきたりて縦横に馳駆ちくするところ、かえって高雅蒼老そうろうの俗気を帯びず。
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「あんなにいうんだから、仲間にしてやってくださいよ。桃太郎だって犬、猿、雉子さじの家来が三人、辻講釈できくと、西遊記の三蔵法師にもけらいは三人、孫悟空そんごくう猪八戒ちょはっかい沙悟浄さごじょう
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)