“瑣事”の読み方と例文
読み方割合
さじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもなる事を少し擧げて、詩の映象躍如やくじよたる理想主義の利と、瑣事さじを數ふること多くして聽者をましむる實際主義の弊とも亦然なり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
これ嘉永五年十一月十五日のことである。市井のこの一瑣事さじに枕山は詩興を催したものと見えて、「万年青」と題する七言古詩を賦した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
死にひんしたおぼえのある人は誰も語ることだが、まさに死せんとする時は幼き折の瑣事さじが鮮やかに心頭によみがえるものだという。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)