“内外”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うちそと50.6%
うちと26.0%
ないがい10.4%
ウチト5.2%
ないぐわい3.9%
ないげ2.6%
うち1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
突き当りに牡丹ぼたん孔雀くじゃくをかいた、塗縁ぬりぶちの杉戸がある。上草履を脱いで這入って見ると内外うちそとが障子で、内の障子から明りがさしている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
鉦叩かねたたき——湖の宿の訪客。秋のしよぼふる雨のなかで、垣の内外うちとで、いつまで、たち去らない巡礼。鉦叩くだけで、御詠歌はやらない。
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
まへ内外ないがい火山かざん巡見じゆんけんした場合ばあひ記事きじかゝげていたが、諸君しよくん兩方りようほう比較ひかくせられたならば、國内こくない火山作用かざんさようがいしておだやかであつて
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
此時代は実は、我々の国の内外ウチトの生活が、粗野から優雅に踏み込みかけ、さうしてほぼ、其輪廓だけは完成した時代であつた。
万葉びとの生活 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日本にほん金解禁きんかいきん如何いかなる用意よういもつてするかはなり注目ちうもくされてために、金解禁きんかいきんくに内外ないぐわいおい大問題だいもんだいであつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
転瞬てんしゅんの間に内外ないげを断じ醜を美に回した禅機を賞し達人の所為しょい庶幾ちかしと云ったと云うが読者諸賢しょけん首肯しゅこうせらるるや否や
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
川の空をちりちりと銀のはさみをつかうように、二声ほど千鳥が鳴いたあとは、三味線の声さえ聞えず戸外そと内外うちもしんとなった。
老年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)