“転瞬”の読み方と例文
読み方割合
てんしゅん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
転瞬てんしゅんの間に内外ないげを断じ醜を美に回した禅機を賞し達人の所為しょい庶幾ちかしと云ったと云うが読者諸賢しょけん首肯しゅこうせらるるや否や
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
俗人はその時その場合に書いた経験が一番正しいと思うが、大間違である。刻下こっかの事情と云うものは、転瞬てんしゅん客気かっきに駆られて、とんでもない誤謬ごびゅうを伝え勝ちのものである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして転瞬てんしゅんの間に君の隠袋の裏に移転してしまったんだぜ。そんな小説的の言葉を使うのが厭なら、もっと判然はっきり云おうか。その金の所有権を急に僕から君に移したものは誰だ。答えて見ろ
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)