『さぶ』

小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。 双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色の褪せた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。雨と涙とでぐしょぐしょになった顔を、ときどき手の甲でこするため、眼のまわりや頬が黒く斑 …

著者	山本周五郎
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「週刊朝日」 1963（昭和38）年1月4日号～7月5日号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約7時間4分（500文字/分）
朗読目安時間	約11時間47分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

強（つえ） 間（げん） 辛（つれ） 書（しょ） 臭（くせ） 端（はな） 下（しも） 若（わけ） 嫌（きれ） 大鋸（おおのこ） 纏（まとい） 止（とど） 一（いち） 頭突（ずづ） 六（ろく） 空（くう） 分（ぶ） 切（きれ） 刻（どき） 本間（ほんげん） 酷（こく） 浸（つか） 上（あが） 苛（いら） 清（せい） 店（だな） 弄（いじ） 奴（やっこ） 水洟（みずはな） 蒼（さお） 喰（た） 唆（そそのか） 楽（らく） 間（けん） 梁木（はり） 相（あい） 原（ぱら） 朱（しゅ） 千筋（せんすじ） 脛（はぎ） 庇（ひさし） 対（たい） 店（たな） 萎（な） 纏（まとま） 薪炭（まきすみ） 藁繩（わらなわ） 蚊遣（かや） 紙漉（かみす） 地形（じぎょう） 四（よつ） 精（せい） 米搗（こめつ） 襖紙（ふすまがみ） 角（かど） 竿（ざお） 咽（む） 訛（なまり） 捉（つか） 呻（うな） 捻（ね） 跼（しゃが） 撓（しな） 擦（こす） 躰（たい） 文（もん） 轡（ぐつわ） 昏（くら） 晒（さらし） 退（ひ） 半間（はんげん） 這（ば） 有難（ありがて） 牢問（ろうど） 犇（ひしめ） 酒肴（さけさかな） 櫓（ろ） 木遣（きや） 鳶頭（とびがしら） 河岸（がし） 頬（ほ） 金（きん） 金屑（きんくず） 剥（む） 匿（かくま） 框（がまち） 瓶（かめ） 溜（た） 無役（むやく） 樽（だる） 上（かみ） 綿文（わたぶん） 経師（きょうじ） 潰（つぶ） 滲（にじ） 溢（あふ） 溺（おぼ） 纏（まと） 縋（すが） 漕（こ）