“白布”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しろぬの35.1%
しらぬの26.3%
はくふ22.8%
しろぎれ7.0%
シラブ1.8%
きれ1.8%
さらし1.8%
プラトーク1.8%
リネン1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が、指をさししめす卓子テーブルのうえには、どうも人の血らしいものが、たくさん地図のような形に、白布しろぬのをそめていた。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さてくれなんとするにいたれば、みな水面すゐめんにおちいりてながれくだる、そのさま白布しらぬのをながすがごとし。其蝶のかたち燈蛾ひとりむしほどにて白蝶しろきてふ也。
冷水れいすいをたたえた手桶ておけ小柄杓こびしゃく、それに、あせどめの白布はくふをそえてはこんできた若い武士ぶしがある。一同にその使用をすすめたのち
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
死装束の晴着に換えて、白布しろぎれひざゆわえ、香までいて、どこから持出したか、女持ちの懐剣、左乳の下を一とえぐり、武士も及ばぬ見事な最期だったそうです。
でも無事に、東屋ヒガシヤと言うのに著いた。それからふた月、七月の七日に、またやって来た白布シラブ高湯タカユは、もうすっかり夏になって居る。
山の湯雑記 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
楯彦氏は白布きれの下から手を出して、剃落そりおとされた自分の頭にそつと触つてみた。頭は茶碗のやうに冷かつた。
この家老も、微傷びしょうを負った事を示すように、左の手首を白布さらしで巻いていたが、何となくそれが可笑おかしく見えて、顔つきと手頸の繃帯がうつろわない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白布プラトークの女はその腕を捕え、下ろさない。——彼女の上半身が、恐らくはクラブの新教育とともに心臓のある肋骨のすれすれ下のところぐらいまで教会スラブ語から脱皮しているのは確かだ。
モスクワ印象記 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
黒塗りの小さな乗物、そのなかのふっくらした白布リネン、それらのうえにまんべんなく小枝の交錯を洩れる陽が降って、濃い点が無数に揺れている。