きな)” の例文
西行の訪れたのを知った文覚の胸には、たちまちきな臭い煙が渦巻いた。今日こそは、いよいよ西行をぶちのめす機会が来た、と彼は思ったのである。
西行の眼 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
たまらなくなまぐさいような、きな臭いような臭気がするのを、吐いても吐いても吐き切れない胸のわるさであった。
童貞 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
俺の脳膸あたままでがきなくさくなつて来たやうだぞ……犬までが吠え出した……何か起るに相違ない。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
激しいトレイニングの後できたくなる時のような疲れを感じて、窓の外の太陽の光が妙にきな臭くて、起き上ろうとすると眼がクラクラして堪りませんので、生まれて初めて終日
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
歯痛しつうの色のきな、沃土ホルムのきな、粉つぽい亢奮のきな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
歯痛の色のきな、沃土ホルムのきな、粉つぽい亢奮のきな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その芽のきなさ、新らしさ……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おしろひ花のきなと赤
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)