黄蝋おうろう)” の例文
古風いにしえぶりを存ぜる弔燭台つりしょくだい黄蝋おうろうの火遠く光の波をみなぎらせ、数知らぬ勲章、肩じるし、女服の飾などを射て、祖先よよの油画あぶらえの肖像の間に挾まれたる大鏡に照反てりかえされたる、いへば尋常よのつねなり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
余が大臣の一行にしたがいて、ペエテルブルクに在りし間に余を囲繞いにょうせしは、巴里パリ絶頂の驕奢きょうしゃを、氷雪のうちに移したる王城の粧飾そうしょく、ことさらに黄蝋おうろうしょくを幾つともなくともしたるに、幾星の勲章
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
古風いにしえぶりを存ぜるつり燭台しょくだい黄蝋おうろうの火遠く光の波をみなぎらせ、数知らぬ勲章、肩じるし、女服の飾りなどを射て、祖先よよの曲画の肖像の間にはさまれたる大鏡に照りかえされたる、いえば尋常よのつねなり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)