がちょう)” の例文
一週間ほどするうちに、それまで、全く枯野だった草原が、すっかり青くなって、草はめばえ、木は枝を伸し、がちょうあひるが、そここゝを這い廻りだした。
雪のシベリア (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
雞の肉やがちょうの肉、魚、菓実くだもの、一樽の佳い酒まで買ってきて、それを自分の室へ並べて李幕事夫婦を呼びに往った。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのとき赤児は、第三回目の劇しい咳と引息でがちょうのように泣いた。ガアガアアアと息をあえいだ。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
翌朝あくるあさ起きるなりそれまで貯えてあったわずかかな銭を持って、市場に往き、鶏の肉やがちょうの肉、魚、菓実かじつ一樽ひとたるい酒まで買って来て、それをじぶんへやへならべて、李幕事夫婦を呼びに往った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)