飯綱いづな)” の例文
今は飯綱いいづな神社で、式内しきない水内郡みのちぐん皇足穂命すめたりほのみこと神社である。昔は飯綱いづな大明神、または飯綱権現と称し、先ず密教修験的の霊区であった。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
第三種(憑付ひょうふ編)狐憑きつねつき、人狐にんこ式神しきがみ狐遣きつねづかい、飯綱いづな、オサキ、犬神、狸憑たぬきつき、蛇持ち、人憑ひとつき、神憑かみがかり、魔憑まつき、天狗憑てんぐつ
妖怪学講義:02 緒言 (新字新仮名) / 井上円了(著)
妙高山・焼山・黒姫山くろひめやま皆高嶺にて、信州の飯綱いづな戸隠とがくし、越中の立山まで、万山重なりて其境幽凄ゆうせいなり。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこで仔細しさいを聞いて見ると、この神下しの婆と云うのは、二三年以前に浅草あたりから今の所へ引越して来たので、占もすれば加持かじもする——それがまた飯綱いづなでも使うのかと思うほど
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
日本の「神仙道」で、丹道に最も近いものは、飯綱いづなの法であろう。面白いことは、日本の妖術幻術は、支那や印度などから一系統として伝わったものではなく、日本で生まれたものである。
露伴先生と神仙道 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
大内義弘亡滅の後は堺は細川の家領けりょうになったが、其の怜悧れいりで、機変をく伺うところの、冷酷険峻けんしゅんの、飯綱いづな使つかい魔法使いと恐れられた細川政元が
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
信州は地方地方により、管狐とも白狐しろぎつねとも飯綱いづなともオサキともいうが、いずれも同体異名に過ぎぬ。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
飯綱いづなの法というといよいよ魔法の本統大系ほんとうだいけいのように人に思われている。飯綱は元来山の名で、信州の北部、長野の北方、戸隠山とがくしやまにつづいている相当の高山である。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我国で魔法の類のしょうを挙げて見よう。先ず魔法、それから妖術、幻術、げほう、狐つかい、飯綱いづなの法、荼吉尼だきにの法、忍術、合気あいきの術、キリシタンバテレンの法、口寄せ、識神しきじんをつかう。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)