飛騨越ひだごえ)” の例文
もちろん飛騨越ひだごえめいを打った日には、七里に一軒十里に五軒という相場、そこであわの飯にありつけば都合もじょうの方ということになっております。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これから大泉原おおいずみはら員弁いなべ阿下岐あげきをかけて、大垣街道。岐阜へ出たら飛騨越ひだごえで、北国ほっこく筋へも廻ろうかしら、と富田近所を三日稼いで、桑名へ来たのが昨日きのうだった。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其處そこで、暑中休暇しよちうきうか學生がくせいたちは、むしろ飛騨越ひだごえ松本まつもとけんをかしたり、白山はくさんうらづたひに、夜叉やしやいけおく美濃路みのぢわたつたり、なかには佐々成政さつさなりまさのさら/\ごえたづねたえらいのさへある。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)