飛退とびさが)” の例文
刃はわずかに合いました。切尖きっさきと切尖が、昆虫の触角のように触れて、ジーンと背筋を走るような電気が腕に伝わると、二人は思わず一歩ずつ飛退とびさがって、必死の構えを立て直します。
「おッ、」とわめいて、お夏のかいなねじっていたのが手を放して飛退とびさがると、袖がれたか、とぐいと払って、お夏はいま一人を振放して、つつと月影に姿を消したが、柳の下をくぐるがはやいか、溝を超えて
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と飛付きに掛りますから、お竹はあわてゝ跡へ飛退とびさがって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私は五六尺飛退とびさがって叩頭おじぎをしました。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたしは五六しやく飛退とびさがつて叩頭おじぎをしました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)