顔附かほつき)” の例文
旧字:顏附
婆さんの前では小娘の様にうれさう顔附かほつきをして物言ものいひも甘えたやうな調子である。そして一日に幾となく額や手に接吻を交換して居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
十人ばかりの子供達のなかには、まだこの間、佐渡ヶ島から越して来たばかりの、色の黒いぬけめのない顔附かほつきの子がゐた。みんなはその子を囲んで佐渡ヶ島の話をきいてゐた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
幕間まくあひに成つたので老文豪コルネエユが再び楽屋へはひつて来たが、モリエエルが何時いつになく不興な顔附かほつきをして冷淡な応答をするので
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
倫敦ロンドンへ来て気の附く事は、街の上でも公園でも肉附にくづき生生いき/\とした顔附かほつき供を沢山たくさんに見受ける事と、若い娘の多くが活発な姿勢で自由に外出して居る事とである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)