顔料えのぐ)” の例文
旧字:顏料
時折りは顔料えのぐや筆なぞを仕入れに行ったりして誤魔化ごまかしていましたので、近所の人々はみんな……この天下大乱のサナカに、そんなに落ち付いて絵をくとは
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
(楊がまっ青に光ったり、ブリキのかわったり、どこまで人をばかにするのだ。ことにその青いときは、まるで砒素ひそをつかった下等かとう顔料えのぐ[※2]のおもちゃじゃないか。)
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
やがてこの伝奏屋敷の溜りの小侍を呼び、酒井どのの仰せにまかせて一筆余技をのこして参りたいゆえ、もっともい墨と、古い朱と、少量の青い顔料えのぐとをお貸し下げねがいたいといった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金泥きんでいの地に、重厚な顔料えのぐで、地図が描いてあった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太平洋も紺碧こんぺきな厚い顔料えのぐに塗りつぶされてあった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)