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頓珍漢
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とんちんかん
ふりがな文庫
“
頓珍漢
(
とんちんかん
)” の例文
最近流行の何とか漫才というものにすら、きっと
頓珍漢
(
とんちんかん
)
な受返事をする相手の役があって、形だけは古いものを保存しているのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「狭いんで驚いちゃ、シキへは
一足
(
ひとあし
)
だって
踏
(
ふ
)
ん
込
(
ご
)
めっこはねえ。
陸
(
おか
)
のように地面はねえ
所
(
とこ
)
だくらいは、どんな
頓珍漢
(
とんちんかん
)
だって知ってるはずだ」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まあ! あなたは
先刻
(
さっき
)
から聴いていらっしゃらなかったのね。道理で御返事が少し
頓珍漢
(
とんちんかん
)
だと存じましたわ」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
洒落
(
しゃれ
)
とか、
野鄙
(
やひ
)
な文句とか、
頓珍漢
(
とんちんかん
)
な理窟とか、嘘や
出鱈目
(
でたらめ
)
とかは、私の知れる限りに
於
(
おい
)
て、全然痕跡もなく、何れも皆真面目な教訓、又は忠言のみであった。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
「お前の話は少し
頓珍漢
(
とんちんかん
)
だよ。普賢菩薩が、衆生濟度のために、江口の
遊君
(
いうくん
)
に現じたといふ話だらう」
銭形平次捕物控:315 毒矢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
見る事聞くこととかく
頓珍漢
(
とんちんかん
)
なことばかり、一口にいえば、やや神秘的とも幻想的ともいえる
雰囲気
(
アトモスフェル
)
の中に、ただ夢に夢見る心持、昨夜も夕景から「
三匹の小猿荘
(
ヴィラ・トロワ・サンジュ
)
」
ノンシャラン道中記:03 謝肉祭の支那服 ――地中海避寒地の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
この
頓珍漢
(
とんちんかん
)
なる出来事のために我輩はいよいよ変テコな心持になる、ペンはますます乗気になる、始末がつかない。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ハハハハそう云う人がせめて百人もいてくれると、わたしも
本望
(
ほんもう
)
だが——随分
頓珍漢
(
とんちんかん
)
な事がありますよ。この間なんか妙な男が尋ねて来てね。……」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さあそこまではまだ調べが届いておりません。その内調べて見ましょう」これで懸合をやった日には
頓珍漢
(
とんちんかん
)
なものが出来るだろうと吾輩は主人の顔をちょっと見上げた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
肉体の感覚美を
棄
(
す
)
てるか、どっちかにしなければなりません、が両方共強情だから、収まりがつきにくいところを、無理に収まりをつけて、
頓珍漢
(
とんちんかん
)
な一種の約束を作りました。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
迷亭から見ると主人の価値は強情を張っただけ下落したつもりであるが、主人から云うと強情を張っただけ迷亭よりえらくなったのである。世の中にはこんな
頓珍漢
(
とんちんかん
)
な事はままある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「……そんな
頓珍漢
(
とんちんかん
)
な、処分は
大嫌
(
だいきら
)
いです」とつけたら、職員が一同笑い出した。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
頓
常用漢字
中学
部首:⾴
13画
珍
常用漢字
中学
部首:⽟
9画
漢
常用漢字
小3
部首:⽔
13画
“頓珍漢”で始まる語句
頓珍漢的