うなじ)” の例文
そはが事を言ふならんとやうに、荒尾はうなじそらしてののめき笑ひぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かかるも彼はおのづと思に沈みて、その動す手もたゆく、裂きては一々読むかとも目をこらしつつ。やや有りて裂了さきをはりし後は、あだかもはげしき力作につかれたらんやうに、弱々よわよわと身を支へて、長きうなじを垂れたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)