革胴かわどう)” の例文
「この上にも、一戦をも辞せぬなどとは、八ツ裂きにしても飽きたらぬ人非人。彼奴きゃつの首を見ぬうちは、この革胴かわどうを解いては寝ぬぞ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その男は、渋色の粽頭巾ちまきずきんをかぶって、汚い布直垂ぬのひたたれを職人結びに後ろでむすび、片膝たてて革胴かわどう草摺くさずりを大きな動作で縫っていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
当時の鉄砲の射程内は、およそ三十間どまりといわれているが、それも精いっぱいに届いた弾では、よろい草摺くさずり革胴かわどうから撥ね返されてしまうのだ。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
騎馬に召され、白地金襴きんらんの陣羽織に、具足は萌黄もえぎおどし革胴かわどうは真っ黒な漆塗うるしぬりはくを置き、長やかな太刀たちいて——
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ふたりも勿論、すねから籠手こてまで身をよろっていた。近来の具足は年々敏捷びんしょうを貴んで軽略になって来たとはいっても、厚い革胴かわどうの下には汗が流れるようだったにちがいない。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い武者は、彼の頭を一つでまわした。そしてその手を、自分の革胴かわどうの腰帯のところへ当てると、少し身をらしながら、日吉の顔を眺め直して、独りで何か笑い顔していた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「指物は、然々しかじか。——また、そのとき尊公の革胴かわどうに、槍の痕は残らざりしか」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤い角頭巾つのずきんに、おそまつな革胴かわどうを着込み、足は素わらじ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)