雨季うき)” の例文
雨季うき乾季かんきとよりほか、季節と言うものを知らぬ此の風土では、植物の営みも自ずと無表情になるものらしかった。樹はおおむね闊葉樹かつようじゅである。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
代助は昨夕ゆふべの反動で、此陽気な空気のなかちる自分のくろかげになつた。ひろつば夏帽なつぼうかぶりながら、早く雨季うきに入ればいと云ふ心持があつた。其雨季うきはもう二三にち眼前がんぜんせまつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)