障碍しやうげ)” の例文
なれど隠者は悪魔ぢやぼ障碍しやうげなほもあるべいと思うたれば、夜もすがら御経の力にすがり奉つて、目蓋まぶたも合はさいであかいたに、やがてしらしら明けと覚しい頃
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つゐに将来大障碍をのこさしめたり、障碍しやうげとは何ぞ、一行は巍然ぎぜんたる燧岳眼前にあるを以て、そのふもとの尾瀬沼にいたらんには半日にしてれり、今夜其処にたつするをべしとかんがへしに
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
〔譯〕靈光れいくわう障碍しやうげ無くば、則ち乃ち流動りうどうしてゑず、四體したいかるきをおぼえん。
総じて悪魔ぢやぼと申すものは、あめが下の人間をもたなごころにのせてもてあそぶ、大力量のものでおぢやる。ぢやによつて帝も、悪魔ぢやぼ障碍しやうげを払はうずと思召され、再三十字の印を切つて、御身を守らせ給ふのぢや。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)