まにまに)” の例文
旧字:
月の光も山のくらくなれば、今はとて戸をてて入らんとするに、八五ただる、おぼろなる八六黒影かげろひの中に人ありて、八七風のまにまにるをあやしと見れば赤穴宗右衛門なり。
五四千金の子は市に死せず。五五富貴の人は王者とたのしみを同じうすとなん。まことに五六ふち深ければ魚よくあそび、山ながければけものよくそだつは、五七あめまにまになることわりなり。
いにしへに富める人は、あめの時にかなひ、くにの利をあきらめて、一〇六産を治めて富貴となる。これ天のまにまになる計策たばかりなれば、たからのここにあつまるも天のまにまになることわりなり。