附木店つけぎだな)” の例文
八月の暑い午後、九歳ここのつのあんぽんたんは古帳面屋ふるちょうめんやのおきんちゃんに連れられて、附木店つけぎだなのおきんちゃんの叔母おばさんの家へいった。
淡泊あつさり仕舞しまふて殊更ことさら土産みやげをり調とゝのへさせ、ともには冷評ひようばん言葉ことばきながら、一人ひとりわかれてとぼ/\と本郷ほんごう附木店つけぎだな我家わがやもどるに、格子戸こうしどにはしまりもなくして、うへへあがるに燈火ともしびはもとよりのこと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おかしなことに、古屋島七兵衛さんは、郡代の裏の、ずっと神田の附木店つけぎだなによった方の、いっぽけな、みすぼらしい木賃きちんのような宿屋の御亭主であった。
千歳座の前で看板にひっかかり、それから附木店つけぎだなまで歩いて、本箱の虫になって、家から迎えがくるか、おもよどんかお金ちゃんに送りながらわびてもらって