附加つけた)” の例文
持主は又附加つけたして、この種牛の肉の売代うりしろを分けて、亡くなつた牧夫の追善に供へたいから、せめて其で仏の心を慰めて呉れといふことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「その上若い女にたたると御負けを附加つけたしたんだ。さあ婆さん驚くまい事か、僕のうちに若い女があるとすれば近い内貰うはずの宇野の娘に相違ないと自分で見解をくだして独りで心配しているのさ」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほとんど二マイルたかい』と女王樣ぢよわうさまがお附加つけたしになりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
「お徳には少し気の毒だけれど」と細君は附加つけたした。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「まあ、私達は先生方が産んで下すった子供なんです」と青木は附加つけたした。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
なぜと聞くと、今夜は古賀に気の毒だから——それにどうせ撲るくらいなら、あいつらの悪るい所を見届けて現場で撲らなくっちゃ、こっちの落度になるからと、分別のありそうな事を附加つけたした。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、その男は附加つけたして言った。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
とも附加つけたした。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)