関山せきやま)” の例文
旧字:關山
あの死骸の男には、確かに昨日きのうって居ります。昨日の、——さあ、午頃ひるごろでございましょう。場所は関山せきやまから山科やましなへ、参ろうと云う途中でございます。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
源教げんけういふやう、そはいとやすき事也、されどこゝにはそるべき物ももたざれば、あすの夜わがすむ関山せきやまの庵へきたり候へ、望をはたし申さんといひければ
真木島まきのしまの十郎と、高市たけち多襄丸たじょうまると、——ああ、そうだ。関山せきやま平六へいろくへは、お前さんに、言づけを頼もうかね。」
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
我が隣駅りんえきせきといふ宿しゆくにつゞきて関山せきやまといふ村あり、此村より魚野うをの川をわたるべきはしあり。流れきふなればわづか出水でみづにも橋をながすゆゑ、かりつくりたる橋なれど川ひろければはしもみじかからず。
真木島まきのしまの十郎、関山せきやま平六へいろく高市たけち多襄丸たじょうまると、まだこれから、三軒まわらなくっちゃ——おや、そう言えば、油を売っているうちに、もうかれこれひつじになる。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こはひとむかしまへの事也ける、関山せきやま毛塚けづかとて今にのこれり。