長話ながばなし)” の例文
宗助そうすけさむしいでせうとつて、つい座敷ざしきあがんで、ひと火鉢ひばち兩側りやうがはかざしながら、おもつたより長話ながばなしをしてかへつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それに第一、こんなに遅くまで帰らないでは宿でも案じているであろうし、この上行者の長話ながばなしを聞いていたら、いかな秋の夜も明けてしまうかも知れないのである。
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
いや。わしにはそこまでの思いきりがない。人間というものは、みんなこれまで自分のして来た仕事に、引きずられて往くものなのだ。——ああ、お前につかまって、つい長話ながばなし
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
人の長話ながばなしを黙って聞いているのは、音頭取りすなわち上の階級の人に対してだけだ。同じ階級の人の間では、長せりふがなくなって、短い対話が続く。長い独白から短い対話へ、これが会話の進化だ。
新秩序の創造:評論の評論 (新字新仮名) / 大杉栄(著)
「半兵衛はいかがいたした。長話ながばなしに疲れたのではないか」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このおばあさんの長話ながばなしを、六部ろくぶはつくづくいて
しっぺい太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
候補コーカス競爭レース長話ながばなし
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)