きつさき)” の例文
言下ごんか勿焉こつえんと消えしやいばの光は、早くも宮が乱鬢らんびんかすめてあらはれぬ。啊呀あなやと貫一のさけぶ時、いしくも彼は跂起はねおきざまに突来るきつさきあやふはづして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼はさへしとみえしそのことばきつさきを我にむけつゝ、たゞちに續いてまた斯くいひぬ 四—六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
代りて酌する彼の想は、吾手わがて男の胸元むなもと刺違さしちがふるきつさきを押当つるにも似たる苦しさに、おのづから洩出もれいづる声も打震ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
声震はせてすがると見れば、宮は男のひざの上なるきつさき目掛けて岸破がばと伏したり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)