“吾手”の読み方と例文
読み方割合
わがて100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この一刻のブリスから生ずる永久の苦痛がその時卒然として、代助の頭を冒して来た。彼の唇は色を失った。彼は黙然もくねんとして、我と吾手わがてを眺めた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
代りて酌する彼の想は、吾手わがて男の胸元むなもと刺違さしちがふるきつさきを押当つるにも似たる苦しさに、おのづから洩出もれいづる声も打震ひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
幸兵衞が手前へ引くはずみ刀尖きっさき深く我と吾手わがてで胸先を刺貫さしつらぬき、アッと叫んで仰向けに倒れる途端に、刄物は長二の手に残り、お柳に領を引かるゝまゝ将棋倒しにお柳と共に転んだのを
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)