銘刀めいとう)” の例文
というところから、秋日しゅうじつのごとくするどく、はげしく、また釣瓶落しのように疾風迅雷しっぷうじんらいに働くというので、こう呼ばれる丹波自慢の銘刀めいとう
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
『そうだ。たとえ一振でも、末代に残る銘刀めいとうわれる刀をたぬうちは、この足を、二度と、信州へは向けねえぞ』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ためつ……すがめつ……彼のひとみ稀代きたい銘刀めいとうの精に吸いつけられ、次第に放しともない誘惑に駆られていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——ああ狭い狭い、世間は狭い。この都に人間は多いが、眼のある人間は一匹もおらんじゃないか。……こんなすばらしい銘刀めいとうを見てくれる者もないとは情けなや」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
等々々とうとうとうのえらい剣工を自分たちの祖先にもつことを三ツ子といえども知っていて、いわゆる銘刀めいとうといえばそこいらでなければならないと心得ているところへ、日本左衛門が
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水のきれいな甲斐かいの国、ことに秋の水は銘刀めいとう深味ふかみある色にさえたとえられている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、利家は、二口ふたふり銘刀めいとうに、駿馬しゅんめ一頭を、成政に贈った。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)