“深味”の読み方と例文
読み方割合
ふかみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静子の魅力もこの奇怪なる疑いには及ばなかったのか、私は不思議にも静子のことを忘れてしまったかの如く、ひたすら奇妙な妄想の深味ふかみへ陥って行った。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
水のきれいな甲斐かいの国、ことに秋の水は銘刀めいとう深味ふかみある色にさえたとえられている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの女達が伯林で、現在眼の前の実物を観ながら、その建築物の写真の載った写真帖しゃしんちょうなど見並べると、驚くほどの写真の方が、線の影や深味ふかみが、精巧な怜悧れいり写術しゃじゅつによって附加されている。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)