釦鈕ぼたん)” の例文
同室どうしつだれかゞ釦鈕ぼたんおとしたとかさじおとしたとか場合ばあひには、かれ寐臺ねだいからおきあがつて、つてる。毎朝まいあさおきると同室どうしつ者等ものらにおはやうとひ、ばんにはまた休息やすみなさいと挨拶あいさつもする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
西村は軍服を着て切腹の座に着いたが、服の釦鈕ぼたんを一つ一つ丁寧にはずした。さて短刀を取って左に突き立て、少し右へ引き掛けて、浅過ぎると思ったらしく、更に深く突き立ててゆるやかに右へ引いた。
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
同室どうしつだれかが釦鈕ぼたんおとしたとかさじおとしたとか場合ばあいには、かれがまず寝台ねだいからおきあがって、ってる。毎朝まいあさおきると同室どうしつ者等ものらにおはようとい、ばんにはまたお休息やすみなさいと挨拶あいさつもする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)