ほど)” の例文
旧字:
ようやく川を渉る、足袋底がこそばゆいから、草鞋をほどいて足袋を振うと、粗製のザラメ砂糖のような花崗の砂が、雫と共に堕ちる。
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「え、それもほどいて洗張りしたまゝ仕舞つてありますの。去年の夏する積りで、あのお婆さん、してくれなかつたものですから。」
青い風 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
彼女は持って来た袱紗包ふくさづつみほどいて、きりの箱に入った、四五尺もあろうかと思う系譜の一巻を卓上に繰りひろげ、平家の残党として、数百年前にこの土地に居つき、爾来じらい宮城野みやぎのの豪族として
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼はつかつかと寄って来て、いきなり腕のしびれるほどしっかりつかみ、物もいわずにぐいぐい引っ張って行くので、銀子も力一杯に振りほどき、すたすたとけ出して裏通りづたいにうちへ帰って来た。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)