タガ)” の例文
御僧は、その目で、前の日の幻と、その日の正身シヤウジンのみ姿とを見比べた訣だな——。其が寸分タガはぬと世俗に言ふ——その言ひ來たりのまゝだつたかね。
死者の書 続編(草稿) (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
之ヲ攻ムルニハ、塀越シノ槍コソ利アラントテ、十文字、鑰槍カギヤリナド打捨テサセ、皆、長柄ノ素槍ヲ持テトテ諸手ニ配ル。アンタガハズ、塀越シノ槍、長柄ニテ大イニ利ヲ得タリト。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
法は、法それ自体が、道義の規矩きくじゃ。法を愛するは、道義を愛することになる。剣の人、宮本武蔵のことばにも、その独行道の第一に——我レ世々ノ道ニタガフナシ——とか申しておる。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)