蹰躇ちうちよ)” の例文
此奴こいつ先刻さつきぼくが飲んだんだから」と云つて、洋盃コツプげたが、蹰躇ちうちよした。代助のすはつてゐる所から、みづてやうとすると、障子のそと硝子戸がらすどが一枚邪魔をしてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「打ちけてくださらなくつてもいから、何故なぜ」と云ひけて、一寸ちよつと蹰躇ちうちよしたが、思ひ切つて、「何故なぜてゝ仕舞つたんです」と云ふや否や、又手帛ハンケチかほてゝ又いた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
左様さうですね」と蹰躇ちうちよしたが、「どうせ、ことわりにるんだから」と云つてあによめかほた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)