かけ)” の例文
よくあんな紳士的な服装なりをして汗も出さずにかけられる事だと思うくらいに早く走ける。もっとも足も長かった。身のたけは六尺近くある。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と突いてかかった奴を袖摺そですりへ一ヵ所受けた。その時又右衛門が走寄はしりよってきたのである。血に染んだ来金道二尺七寸を片手に、六尺余りの又右衛門がかけつけたのだから小者はたまらない。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
いやしくも自分が生きている間は五十年でも六十年でも、いくら歩いてもかけても依然として広がっているに違いない。ああ、つまらない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と云っておいて又右衛門は鍵屋の前へかけつけた。
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)