赤本あかほん)” の例文
薯蕷じねんじやう九州きうしゆう山奥やまおくいたるまで石版画せきばんゑ赤本あかほんざるのなしとはなうごめかして文学ぶんがく功徳くどく無量広大むりやうくわうだいなるを当世男たうせいをとこほとんど門並かどなみなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
抽斎の好んで読んだ小説は、赤本あかほん菎蒻本こんにゃくぼん黄表紙きびょうしるいであった。おもうにその自ら作った『呂后千夫りょこうせんふ』は黄表紙のたいならったものであっただろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
書肆しょし早くも月々の損失に驚き文学をうとんじて赤本あかほんを迎へんとするに至つて『活文壇』は忽ち廃刊となりき。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そしてマアセルは、好きなように安楽な姿態で赤本あかほんを読み出した。
曝書ばくしょ風強し赤本あかほん飛んで金平きんぴら怒る
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)