財寶たから)” の例文
新字:財宝
我等の主かぎを聖ピエートロに委ぬるにあたりて幾許いくばく財寶たからを彼に求めしや、げにその求めしものは我に從への外あらざりき 九一—九三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ああ、春夏とほくすぎて兄は放縱無頼、酒狂して街にあざわらはれ、おんあい至上のおんちちははに裏切り、その財寶たからを盜むものである。
散文詩・詩的散文 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
こゝにはかれらそのバビローニアの流刑るけいに泣きつゝ黄金こがねをかしこに棄てゝえたる財寶たからにて生き、かつこれを樂しむ 一三三—一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あゝ未知のとみ肥沃ひよく財寶たからよ、エジディオ沓をぎ、シルヴェストロ沓をぬぎて共に新郎はなむこに從へり、新婦はなよめいたく心にかなひたるによる 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
まことに我は牝熊めぐまの仔なりき、わがうえには財寶たからをこゝには己をふくろに入るゝに至れるもたゞひたすら熊の仔等のさかえを希へるによりてなり 七〇—七二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
斯く早くもかの財寶たからに飽けるか、汝はそのため欺いて美しき淑女をとらへ後しひたぐるをさへ恐れざりしを 五五—五七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)