謙譲けんじょう)” の例文
旧字:謙讓
けれど、表面はあくまでも、互いに、相手の歓心かんしんを求め、どちらも謙譲けんじょうの礼を取って、敢えて、驕傲きょごうに出るふうなどは毛頭もない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ご辺の進退、その謙譲けんじょう西土せいどの人々、みな美談となす。もしその忠節を顕わさなければ、曹操は暗愚なりといわれよう。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『それや、謙譲けんじょうというよりは、虚偽に聞こえる。和殿に乗りこなせないはずはない。いや、おたがい、鳥羽院の随身ずいしんたり、武者所の侍ともある者がよ』
と、さきに一捷いっしょうかくした秀吉から、謙譲けんじょうを示したことが、まず非常に、会議の進捗しんちょくを円滑にしたのである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど、どこまでも謙譲けんじょうよそおって、再々辞退したが、端王のおゆるしがないので
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵の謙譲けんじょうな気もちは、ただただ勿体ないことと思い、自己のひつぎ金碧こんぺきの霊壇に上し、諸士の拝を受けることは、そのいわれもないし、固く辞退したいとも心に願ったのではあるまいか。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「若いが、謙譲けんじょうで、はらができとる。渋沢氏を、見習いなさい」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それにしては、まこと謙譲けんじょうなお人がらではある」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、謙譲けんじょうに挨拶した。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)