諫鼓かんこ)” の例文
今日は諫鼓かんこのかわりに新聞があるけれども、耳を傾ける度量は昔にくらべてどうであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
おそれながらかんがへまなぶへき事なり然るに舜帝のつゝみ世こぞつて諫鼓かんこのつゝみといふ其後そのごほどなく天下よく此君このきみにしたがひとくになつきければ其皷そのつゞみ自然しぜんとほこりたまりこけしやう諸鳥しよてうも來りて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まわしのみつを引張ひっぱって、(諫鼓かんこの荷づくりを見届けるまで、今夜ばかりは、自分の目は離されぬ。近常さんの途中の様子を。)(合点。)……で、いずれ、杯のやりとりのうちに、その職人の
祭礼の笠鉾かさぼこなどに鶏が太鼓に留まった像を出し諫鼓かんこ鳥と称す。
シナ太古の聖人が世をおさむる時代には朝廷ちょうてい諫鼓かんこという太鼓のような物をそなえおいて、誰人たれびとにても当局に忠告せんとする者はこれを打つと、役人が出て諫言かんげんを聴いたと伝えるが
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
工芸も、何ですか、大層に気を配って、……世の泰平をかたどった、諫鼓かんこ——それも打つに及ばぬ意味で……と私に分るように、天狗様は言ったんですがね。こけ深うして何とかは分りませんでしたわ。