からか)” の例文
それを明治四十年に買った万年筆だと堅く信じていて、お説法の材料にまで使うんですから、此方だってついからかってやりたくなりますよ
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私も傍で聞いていてからかうのだと思った。女房も始めは笑談じょうだんにしていたが、銭占屋はどこまでも本気であった。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「実はこの間四谷へ行った時、兄さんにからかわれたんだよ。『高円寺も好いが、道が狭いですからなあ』って、例によって悪口を言うだろう?」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
しかし、愛相のよかった女房がすっかり沈みこんでしまって、ろくに口も利かないのを、人々は亭主がいなくなって寂しいからだろうとからかった。銭占屋も諢う。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「女房の秘密筥が気になるんだ。しかし知っての通りの事情だから、あの男に丈けはからかわれない。悪いことを言ってしまったと後から思ったよ」
妻の秘密筥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『久太、鮒とはやと取り替えっこしようか?』と私がからかいました。『うがす。鮒一尾と同じいかさのはや三尾と取り替えべえ』
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
実はこの前、一寸からかったものですから、喧嘩別れの形になったんです。初め閣下は明治四十年に買ったという万年筆を出してお見せになりました。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と大きな声で同伴つれの男に言った。或はからかったのでなくて、本当にういう疑問が起ったのかも知れない。或日、母親が
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
『旦那、之は此の場丈けの話でがんすが、欲しい方を取ればみんながもうからかいませんから、商売が上ったりでがんす』
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
奥さんが綺麗だから、然う言ってからかうのである。奥さんは真面目になって否定する。但し子供がなくて閑だから客を歓ぶことは事実だ。自分も好んで出歩く。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と丸尾さんは他のことだからからかい半分だった。それから商売の話が始まった。卒業祝いもやったけれど、引かれている人が二人あるから、余りはずまなかった。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「いや、後の方でしょう。からかいに来たんです。こゝですと言って、五人六人皆愚の字を指すんですが、赤羽君は気がつきません。一々丁寧に説明していました」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と菊太郎君のお母さんがからかった。肩身の狭いことおびただしい。宜かったら、電話がかゝって来る筈だった。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「君は直ぐに腹を立てるから、ついからかって済まないが、我輩もこれで君の為めを考えているんだよ」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
父親から依頼があったと見えて、先生は私を褒めなくなったが、国分は相変らず私を目の敵にしている。それも正面からは向って来ない。必ず遁げ路をこしらえて置いてからかう。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
からかった。お祖父さんが相手構わずに武張ったところへばかり案内するのを知っているからだ。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と芳野君は大切だいじを取った。口先ではからかいながらも、満腔まんこうの好意を持っている。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「えゝ。海の中であなたにからかっているところを見られていますからね」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
洒落しゃれも皮肉も分らない。二郎にからかわれても知らないでいるんです」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と団さんは町中へきた時買い物好きのお父さんと三輪さんにからかった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と洒落を交ぜてからかいをかけている。松本さんは苦笑いをしていた。
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
恐らくからかったのだろうが、山下さんは何でも善意に解する。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と堀尾君は久しぶりで周囲あたりはばからずにからかって見た。
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「出て行け。からかうから吠えるんだ」
負けない男 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と三輪さんまでからかった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と僕はからかってやった。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
とお父さんがからかった。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と寛一君がからかった。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)