あげつ)” の例文
吾人は其の成功と不成功をあげつらはず、唯だ世人が如何に冷淡に此の題目を看過するかを怪訝くわいがしつゝあるものなり。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
この鎌子夫人についても、私はその是非をあげつらうのでもなければ、その心理の解剖者となるのでもない。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
されば大方の詞友諸君、縦令たといわが作の取るに足らずとも、この後諸先輩の続々討て出で賜ふなれば、とかくこの少年文学といふものにつきて、充分あげつらひ賜ひてよト、これもあらかじめ願ふて置く。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
あげつらふやを知るべければなり。
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
武藏特有の肝つ玉のあつたことと、土地にちやくすると、つちの風にも化することはあげつらへない。
初かつお (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)