読誦どくじゆ)” の例文
旧字:讀誦
右に依れば、さと落命致し候は、私検脈後一時ひとときの間と相見え、の上刻には、篠既に乱心の体にて、娘死骸を掻き抱き、声高こわだかに何やら、蛮音ばんいんの経文読誦どくじゆ致し居りし由に御座候。
尾形了斎覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
経を考ふるに云はく、し国土に講宣かうせん読誦どくじゆ恭敬くぎやう供養くやうして此の経を流通るつうせるきみ有らば、我等が四王常に来りて擁護ゆごし、一切の灾障さいさうみな消殄せうでんせしめむ。憂愁うしう疫疾やくしつまた除きいやさしめむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
油火あぶらびのかすかな光の下で、御経おんきやう読誦どくじゆし奉つて居つたが、たちまちえならぬ香風が吹き渡つて、雪にもまがはうず桜の花が紛々とひるがへいだいたと思へば、いづくよりともなく一人の傾城けいせい
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
が、経文を読誦どくじゆする代りに、姫君へかう言葉をかけた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)