言霊ことだま)” の例文
旧字:言靈
いずれにしても天平精神の昏迷こんめいを示すものといえよう。万葉後期の諸歌人がこの間に処して、言霊ことだま云々うんぬんしたのも大きな戦いであった。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
就中なかんづく、人間自身が工夫したさまざまなもののなかには言葉の言霊ことだまのなかにあるものと全く同じやうに、人類の思想や、生活や
言霊ことだまさちはふ日本語では、「大工」といつて、朝から晩から金鎚を叩いて暮してゐる、紺の法被はつぴに鉢巻をした男の事である。
御座所の方に向って、また、四辺あたりを広く眺めまわして、しみじみと私は崇敬した、日本皇室の神聖と、吾が民族の由来する伝統と精神とを、そうして愈々いよいよさきわうわが国の言霊ことだまとを。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
それの霊を、所謂いはゆる言霊ことだまをありありと見るやうにさへ思ふこともあつた。その時、言葉といふものが彼には言ひ知れない不思議なものに思へた。それには深い神的な性質があることを感じた。
わが歌はわがものならず祖先神みおやがみくだしさきは言霊ことだまの揺り
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)