触手しょくしゅ)” の例文
旧字:觸手
坊主頭ぼうずあたまの上には、見る見るくろずんだきたないしみが目立ってきた。醜怪しゅうかい触手しょくしゅのようなものが幾本となく坊主あたまをさすっている。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
段畑が鋸型のこぎりがたに喰い込んだ間々には、如何いかに勤勉なお百姓でも、どうにも切り開き様のない深い森が、千年の巨木が、ドス黒い触手しょくしゅみたいにい出していた。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
実際それらは天に向かって伸びた無数の触手しょくしゅのように見えたものです。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
頭の下には、胴がほとんどなくて、たくさんの根のようなと言うか、触手しょくしゅのようなと言うか、へんにぐにゃぐにゃした触手が生えている。
火星兵団 (新字新仮名) / 海野十三(著)
怪物の触手しょくしゅの様な猿臂えんぴがニュッと延びて、芳江の柔い頸筋を掴み、ねばっこい力強さで、彼の身近に引寄せた。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし消息子の先についている触手しょくしゅは、手ざわりのよいやわらかいものであったから、こっちのからだは痛みはしなかったが
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
カニのこうらの上には、アンテナのような二本の触手しょくしゅ、口のよこからは、するどいはさみのついた二本の腕、それから、カニのはらのように、気味のわるい胴体、二本のまがりくねった足。
妖星人R (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ぴかぴか光った長い消息子しょうそくしのようなものを、透明碗の外から中へつきたて、その先についている五本指の触手しょくしゅみたいなものによって、僕のからだをいじるのであった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
妖虫の触手しょくしゅ
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
さっき弾丸にうたれた二ひきが、弾丸のあたったところを、長い触手しょくしゅでもってさすりながら起きあがった。弾丸にあたって死んだものと思っていたのに、あんがいへいきで起きあがってきたのである。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それは腕というよりも、触手しょくしゅというほうがてきとうかもしれない。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)