親狐おやぎつね)” の例文
「じゃあ、あの、親狐おやぎつねの皮で張ってあるんで、静御前がその鼓をぽんと鳴らすと、忠信ただのぶ狐が姿を現わすと云う、あれなんだね」
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そのわたし可哀かあいさうにおもつて、親狐おやぎつねわたしふなりにそだてゝれましたとか。わたしひとふことなぞをかないで、自分じぶんのしたいことをしました。にはとりべたければ、にはとりぬすんでました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)