裳着もぎ)” の例文
燈火を普通の裳着もぎの式場などよりもいささか明るくしてあって、父がめぐり合って見る子の顔のわかる程度にさせてあるのであった。
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この子には手習や歌なんぞよく仕込んでやってくれ。そういう事は、お前になら任せて置けるからな。——まあ、もうすこうししたら、向うの家の奴なんぞと一しょに裳着もぎの祝を
ほととぎす (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
西山に御堂みどうの御建築ができて、お移りになる用意をあそばしながらも、一方では女三の宮の裳着もぎの挙式の仕度したくをさせておいでになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
乳母めのとの中でも上級な人たちをお呼び出しになって、裳着もぎの式の用意についていろいろお命じになることのあったついでに、院は
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
新築して外孫の内親王方の裳着もぎに用いて、美しく装飾された客殿があった。派手はでやしきで何事も皆近代好みであった。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
裳着もぎの式の派手はでに行なわれることがすでに世間のうわさにさえなっていたから、日を延ばすのも見苦しいことに思われて二十幾日にその式はしてしまった。
源氏物語:50 早蕨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
宮の十四におなりになる年に裳着もぎの式を行なおうとして、その春から専心に仕度したくをして、何事も並み並みに平凡にならぬようにしたいと女御は願っていた。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
姫宮の裳着もぎの式をお急ぎになり、準備をいろいろとさせておいでになったが、過去にも未来にもないような華美なお儀式になる模様で、だれもだれも騒ぎ立っていた。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏が十一歳の姫君の裳着もぎの式をあげるために設けていたことは並み並みの仕度したくでなかった。
源氏物語:32 梅が枝 (新字新仮名) / 紫式部(著)
東の院の人たちも裳着もぎの式のあることを聞いていたが、贈り物を差し出てすることを遠慮していた中で、末摘花すえつむはな夫人は、形式的に何でもしないではいられぬ昔風な性質から
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この近くにこれ以上の日がないともこよみ博士はかせからの報告もあって、玉鬘たまかずら裳着もぎの日を源氏はそれに決めて、玉鬘へは大臣に知らせた話もして、その式についての心得も教えた。
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この人の婚約者の女二にょにみや裳着もぎの式が目前のことになり、世間はその日の盛んな儀礼の用意に騒いでいる時であって、すべてをみかど御自身が責任者であるようにお世話をあそばし
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
裳着もぎの式の用意を自身の従属関係になっている役人たちにも命じてさせていた。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
姫君たちが皆同じほど大人おとなになったから裳着もぎの式などを大納言は行なった。
源氏物語:45 紅梅 (新字新仮名) / 紫式部(著)
裳着もぎの式を行なう西の町へ源氏夫婦と姫君は午後八時に行った。
源氏物語:32 梅が枝 (新字新仮名) / 紫式部(著)