“街樾(なみき)” の例文
道幅の莫迦に廣い停車場通りの、兩側のアカシアの街樾(なみき)は、蕭條たる秋雨に遠く/\煙つてゐる。其下を往來する人の歩みは皆靜かだ。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
車は月桂(ラウレオ)の街樾(なみき)を過ぎて客舍の門に抵(いた)りぬ。薦巾(セルヰエツト)を肘(ひぢ)にしたる房奴(カメリエリ)は客を迎へて、盆栽花卉(くわき)もて飾れる闊(ひろ)き階(きざはし)の下(もと)に立てり。
只だ山を左に見て行き給はゞ、小河の流に逢ひ給はん。そは山より街道に出づる水なり。霧晴れなば、そこより街樾(なみき)の長く續けるを見給ふならん。
道幅の莫迦に広い停車場通りの、両側のアカシヤの街樾(なみき)は、蕭条(せうでう)たる秋の雨に遠く/\煙つてゐる。其下を往来(ゆきき)する人の歩みは皆静かだ。男も女もしめやかな恋を抱いて歩いてる様に見える。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
道は一苑を過ぎて、巖壁と激流との間なる街樾(なみき)に入りぬ。その木は皆鬱蒼たる橄欖なり。これを行く間、われは早く水沫(みなわ)の雲の如く半空に騰上(とうじやう)して、彩虹の其中に現ぜるを見き。
アカシヤの街樾(なみき)にポプラに
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)