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血脂
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ちあぶら
ふりがな文庫
“
血脂
(
ちあぶら
)” の例文
手に取つて見ると、よく光つてをりますが、泥と夕立に洗はれながらも、
血脂
(
ちあぶら
)
のべツとり浮いた、刄渡り六七寸の、凄い匕首です。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
電閃
(
でんせん
)
の隙に、三太刀三人を斬って捨てた新九郎は、
血脂
(
ちあぶら
)
をのせた四度目の太刀を振りかぶったが、途端に、何者とも知れぬ早技で
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
拔いて見るとベツトリ
血脂
(
ちあぶら
)
が浮いて、切つ尖に少しばかり新しい齒こぼれのあるのは、一種の凄味をさへ加へるのでした。
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こんな所で、人間の
血脂
(
ちあぶら
)
をながしたら、すぐにあしがついてしまう。そのまま、
錘
(
おも
)
りをかけて、沖の深くへ抛り込んでしまうのがいちばんだ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新九郎は、大円房覚明を斬って、まだ生々しい
血脂
(
ちあぶら
)
の曇っている
来国俊
(
らいくにとし
)
をスラリと抜き、揉み紙で
一
(
ひと
)
しごきして、燈下に刃こぼれを
検
(
あらた
)
めている——
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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番所へ行ってみると、船頭三吉の腹巻から百両の小判と
血脂
(
ちあぶら
)
の浮いた出刃庖丁と、それから、厳重に縄を打ったままのお蔦が留め置かれております。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
番所へ行つて見ると、船頭三吉の腹卷から百兩の小判と
血脂
(
ちあぶら
)
の浮いた出刄庖丁と、それから、嚴重に繩を打つたまゝのお蔦が留め置かれて居ります。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
血脂
(
ちあぶら
)
は古く
錵
(
にえ
)
の色は
生
(
なま
)
新しい、そぼろ
助広
(
すけひろ
)
の一刀をギラリと抜いて
鞘
(
さや
)
を縁側へ残し、
右手
(
めて
)
の
雫
(
しずく
)
の垂れそうなのを引っさげて、しずしずと
椎
(
しい
)
の下へ歩みだした。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一応拭き清めてありますが、それにもまた
血脂
(
ちあぶら
)
が浮いて、どんより
鉄色
(
かねいろ
)
の曇って居るのは唯事ではありません。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして彼が垂直にして持ち捧げていた長剣には、なるほど、
血脂
(
ちあぶら
)
の曇りもとどめていなかった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一應拭き清めてありますが、それにもまた
血脂
(
ちあぶら
)
が浮いて、どんより
鐵色
(
かねいろ
)
の曇つてゐるのは唯事ではありません。
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一つは燕女の持つてゐたもう一つの夜光の珠で、一つは權八が勘七を刺した
血脂
(
ちあぶら
)
の浮いた
匕首
(
あひくち
)
だ」
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「研屋の方も、武家の註文主ばかり訊いて歩いたから解らなかつたんだ。遊び人の權三郎が、研賃をうんとはずんで、研屋忠兵衞に
血脂
(
ちあぶら
)
を落さしたとは夢にも思はねえ」
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
奧方お高の方を刺した
匕首
(
あひくち
)
が釣られてあつたかもわかりませんが、それも一時
血脂
(
ちあぶら
)
を洗ひ去るための、假の隱し場所で、平次が來る前に匕首は安全な隱し場所に移したとすれば
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それから海女は水の中へ商売道具の鑿を捨てて来るはずはない。これが
外
(
ほか
)
の者なら、泳ぎにくいのを我慢して、
血脂
(
ちあぶら
)
のついた鑿を持って来て、濡れたまま元の場所に置くのがかえって不思議だ」
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
血
常用漢字
小3
部首:⾎
6画
脂
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
“血”で始まる語句
血
血眼
血腥
血統
血汐
血痕
血潮
血飛沫
血相
血糊