ばん)” の例文
彼等は極めて消極的な態度で自分の気位を守ると同時に、無言の裡に他のハイカラやばんカラ、又は半可通連を冷笑しているのである。
その容貌ようぼうが前にも言ったとおり、このうえもなくばんカラなので、いよいよそれが好いコントラストをなして、あの顔で、どうしてああだろう、打ち見たところは
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
たとえそれがばん人であってもいい、極悪ごくあくの人殺しの悪漢どもといっしょにいるよりか、どれだけ幸福かしれやしない、だが、海蛇うみへびのやつもなかなかぬけめがない
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
昔かの漢学者流は、西洋を観てと云い、ばんと云い、国字訳本ありといえどもすてかえりみず、すでにしかして漢訳諸本の航来するに至りてはじめて、その蛮夷にあらざるを知る。
平仮名の説 (新字新仮名) / 清水卯三郎(著)