“薄原”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すすきはら75.0%
すすきばら25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「近江のクタワタのカヤ野に鹿が澤山おります。その立つている足は薄原すすきはらのようであり、頂いている角は枯松かれまつのようでございます」
やや光の増しきたれる半輪の月を背に、黒き姿してたきぎをば小脇にかかえ、がけよりぬッくと出でて、薄原すすきはらあらわれしは、まためぐりあいたるよ、かの山番の爺なりき。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人界の竜か、みみずか、行者の着る白衣を着ている机竜之助が、密林の細径を出でて薄原すすきばらの大見晴らしの真中に立っています。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一本ひともと二本蘆の中にまじったのが次第に洲崎のこのあたり土手は一面の薄原すすきばら、穂の中から二十日近くの月を遠く沖合の空に眺めて、潮が高いから、人家の座敷下の手すりとすれずれの処をゆらりと漕いだ
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)