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蔭間
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かげま
ふりがな文庫
“
蔭間
(
かげま
)” の例文
「身振りなんかしたつて、お前ぢや色若衆には見えないよ。そんなのは大方芝居の
色子
(
いろこ
)
のヒネたのか、
蔭間
(
かげま
)
の大年増が道に迷つたんだらう」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
じゃ、道頓堀の川ッぷちで、
蔭間
(
かげま
)
が犬に食いつかれてるだろう。そんなものは見えねえッて。じゃおじさんが見てやろう、貸してごらんよ。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
況
(
いわ
)
んや相手は
蔭間
(
かげま
)
みたいなヘナヘナ男じゃないか。柔道こそ知らないが、スワとなったら、銀座界隈でチットばかり嫌がられて来たチョボ一だ。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この
媚
(
なまめ
)
かしい羽織が女のような眉山の顔と
能
(
よ
)
く
釣合
(
つりあ
)
って、影では
蔭間
(
かげま
)
のようだと
悪語
(
わるくち
)
をいうものもあったが、男の眼にも
恍惚
(
うっとり
)
とするほど美くしかった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
なまじっか、律儀に、ご尊名などを聞かなければ、
雲州侯
(
うんしゅうこう
)
も手玉に取った、
御数寄屋
(
おすきや
)
坊主の宗俊が、
蔭間
(
かげま
)
茶屋通いの、上野
東叡山
(
とうえいざん
)
の
生臭
(
なまぐさ
)
か、そんなことに頓着なく
青バスの女
(新字新仮名)
/
辰野九紫
(著)
▼ もっと見る
「なあんだ、なまぐさ坊主のくせに、いやに好い男でいやがらあ、向うにいるあの坊主なんざあ、羽左衛門そっくりだぜ、大方坊主と見せて、
蔭間
(
かげま
)
でもかせいでいたんだろう」
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「黙らッせい。どこの女中共かは知らぬが、
蔭間
(
かげま
)
や御守殿ののさばり出る幕ではない。退けというのはお身共のこと、さッさと道を
避
(
さ
)
けて通らッせい」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きめてお前の話の相手になつてやらう。華魁の話でも
蔭間
(
かげま
)
の話でも、夜が明けるまで續けてくれ。明神下の藪つ蚊は飛んだ
餌
(
ゑさ
)
にあり付いて、大喜びだとよ
銭形平次捕物控:280 華魁崩れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
役者、
蔭間
(
かげま
)
、力士、その他の芸人、
占者
(
うらない
)
、祈祷師、絵草紙、薬種、化粧品の行商人等の中にこの種の商売人が居たのであるが、今ではずっとこの範囲が広まっている。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
蔭間
(
かげま
)
を呼んでみるなんぞといったことは、一時の
気紛
(
きまぐ
)
れに過ぎないので、それに執心を持って来たわけでもなんでもないから、そんなことは、どうでもいいように眠くなったのです。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
谷中や湯島、芳町あたりの
蔭間
(
かげま
)
茶屋にも、こんな
艶姿
(
あですがた
)
の少年が養われて居たことは言うまでもありません。
銭形平次捕物控:239 群盗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ほんに、今ごろは、芝居小屋も
蔭間
(
かげま
)
茶屋も、灯の色に染まっている頃だろうて」
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
坊主の冒涜ぶりを
貪看
(
どんかん
)
して、飽くことを忘れたこの眼が、その坊主が、
蔭間
(
かげま
)
という人間界の変則なサード種族に似ているという偶語を聞いてから、その凝視から一時解放されると共に、今度は
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
谷中や湯島、芳町あたりの
蔭間
(
かげま
)
茶屋にも、こんな
艶
(
あで
)
姿の少年が養はれてゐたことは言ふ迄もありません。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おう、
蔭間
(
かげま
)
のような生白いやつでも、もう少し恥や外聞は知っている」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なにッ、
蔭間
(
かげま
)
だと?」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蔭
漢検準1級
部首:⾋
14画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“蔭間”で始まる語句
蔭間茶屋
蔭間侍
蔭間屋