華表とりゐ)” の例文
神官等しんくわんらいし華表とりゐつたのちしばらくしてひとつて、華表とりゐそばにはおほきな文字もじあらはした白木綿しろもめん幟旗のぼりばたたかつてばさ/\とつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
華表とりゐのあるところ、即ち峠の鞍部あんぶまで下から十丁位しかなかつた。私はそこに行つて思はず立尽した。
旅から帰つて (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
一時間ののち、われは鳥居峠の絶巓、御嶽おんたけ神社遙拜所の華表とりゐの前なる、一帶の草地に藺席ござを敷きて、峠を登り來りし勞を醫しながら、じつと眼下に展げられたる木曾の深谷しんこくの景を見やりぬ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
『あの白いのが華表とりゐだね。』
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)